アルバイトでも任意整理は可能か
1 アルバイトでも任意整理をすることは可能です
任意整理は、理論的には、どのようなご職業の方でもすることができ、アルバイトであっても可能です。
極端な話をしますと、返済原資(任意整理後の月々の返済に充てられる金銭)のご用意ができるのであれば、無職の方であっても任意整理はできます。
任意整理ができるか否かは、基本的には、任意整理をした後に返済をしっかりできるかどうかで判断されますので、債務者の方のご職業も判断要素のひとつにはなり得ます。
以下、任意整理ができるケースと、仮に任意整理が困難である場合の対応について説明します。
2 任意整理ができるケース
任意整理を検討するための重要な要素として、返済原資と債務額があります。
返済原資とは、債務者の方が月々の返済のために支出することができる金銭のことであり、月々の手取り収入から生活費を控除することで算定できます。
例えば、任意整理の対象とする債務額が200万円であり、任意整理後にこれを5年間(60分割)で返済することを想定した場合、月々の返済額は約3万4000円になります。
そのため、返済原資が3万4000円以上ある場合には、任意整理が可能という見通しを立てることができます。
アルバイトの方でも、毎月一定の収入があり、生活費等を控除した残額が3万4000円以上であれば、任意整理はできるということになります。
ただし、今行っているアルバイトが短期のものであるなど、現在の収入が近い将来変わってしまうことが想定される場合には、将来的に一定の収入を確保し得るかどうかも検討しなければなりません。
3 任意整理が困難である場合の対応
返済原資が任意整理後の月々の返済額を下回る想定であったり、将来的に収入が不安定になることが予想されたりする場合には、他の手段も検討しなければならなくなります。
借金問題を解決する方法には、任意整理のほかに、個人再生や自己破産という手法があります。
債務者の方の収入、支出の状況、将来的な経済的更正の可能性等を考慮して、適切な借金問題解決の手段を選択するということになります。